飛べないパフォーマー「たいせい君」中編
前回の続き。結構な長文になってしまった。
暇な時に読んでね。
さあ!いよいよ練習となるわけだが、
与えられた日数は2日。それもショーと
ショーの間のトレーニングの時間約15分。
それが、1日に3~4回。
最初に目標としていた技が、「突き上げ」と言って、
自分が水の中で立っている状態から、イルカに
下から突き上げてもらって、水面上に飛び上がる
という技。
まぁ、自分は水の中でじっと突っ立ってればいいだけだから、まぁ、これは楽勝でしょうなんて
簡単に考えていた。
初日のお相手は「スノーウィ」というバンドウイルカで、
とても人懐っこい子。なので、すぐに「スノーウィ」とは
お友達になれた。
ちなみにココの水族館で有名な「ラッキー」君は
「カマイルカ」といって、「バンドウイルカ」よりも
体がちっこく、人間を乗せたり突き上げたりする技には
不向きみたい。
で、いよいよ水の中へ。
ここで問題発生!
今回のショーの為にウェットスーツを作って貰ったんだけど、
これが新品の為に、すごい浮力がある。
だから、水面に顔を出して立っているだけでもすぐに
腰や足が浮いてきて、安定して立っている状態を
保っていられない。
「突き上げ」をしてもらうには、イルカが人間の足の裏を
口先(鼻先?)で上に押し上げるんだけど、
この時に人間の重心とちゃんと合わないとキレイに上には
飛び出さない。
オレがフラフラしてるもんだから、当然上手くはできずに
1回目の練習は終了。
「簡単じゃん」なんて思っていたアタイはにわかにあせりだす。
その様子を見ていたトレーナーの「ツッチー」が、技を変更。
「ロケット」といって、陸から水に飛び込み潜る。で、その途中でイルカに足の裏を押してもらって、いったんプールの底まで行く。
ちなみにここのプールは水深5メートル。
で、そこから水上まで、一気に出てきてジャーンプ!って技。
いきなり難易度上がってません?大丈夫っすか?オレ。
でも、ツッチーが言うには、水面で安定できないなら、
こっちの方が楽かも。って事らしい。ただ、「耳抜き」が
出来ないとダメって事なんだけど、そこはスキューバー
やってるアタイは慣れたもので、らくらくクリア。
で、2回目、3回目とその技の練習なんだけど、さっきの
ウエットの浮力の問題で失敗。
飛び込んでもすぐに浮いてきちゃうから、イルカが足の裏に
着けない。
で、1日目終了。
おいおい!なーんも技できてねーよ!あと1日しかねーよ!
大丈夫か?!オレ?!
で、本番の前日。ラストの練習日。
お相手のイルカが変わって「ファイン」
トレーナーの「ヨッシー」が着いてくれた。
この日、ヨッシーがあるものを用意してくれた。
それは「ウェイト」スキューバーとかやる時に
腰に着ける重りですわ。
やはり新品のウェットだと浮きすぎるので、
コレを着けましょう。となりました。
で、1回目。やっぱり上手く行かない。どうやら
飛び込む角度が悪いらしく、ソレを調整してもう一度
チャレンジすることに。
どーしよー・・・あと3回しか練習は出来ない。
まだ、1つも技は出来てない。
ちょっとずつ惜しいところまで来ているのは
自分でも判るんだけど、いかんせん成功が1回も無い
っちゅうのは、さすがに焦る。まぁ、でもやるしかない!
で、2回目。1発目やっぱり出来ない。ヨッシーだけでなく、
他のトレーナーさん達もいろいろ助言や応援をしてくれている。「ファイン」も頑張ってくれている。
そんな中、たしか、6本目だか7本目だかのチャレンジの時。
いつもの様に飛び込み、頑張って潜っていると、
明らかに今までとは違う、「ファイン」が足の裏に着く感覚が!
と思うと、そのまま一気にプールの底まで押しやられる。
「おっしゃーーー!!着いたーーーー!!」心の中で叫ぶ!
そのまま、教えられた通り一気に体を水面に向かわせる。
どんどん加速されて、気がついたらいつの間にか空中に!
「できたーーーー!!!!!!!!!」
トレーナーのみんなや、トレーニングの様子を見ていた
お客さんから拍手の音が聞こえる。
調子に乗って、「ファイン」に突き上げのサインを出してみたら、なんと!それも成功!!
きゃー!!うれしーーーー!!!!
1回感覚を掴めればこっちのもんです!
連続でロケットに成功!とりあえずこの回は
いいイメージのまま終了!
トレーナーさん達に「おめでとー!」と祝福され、
ロッカールームでシャワーを浴びながら
1人でニヤニヤしてました!
それから3,4回目の練習で、失敗と成功を繰り返し、
どんどん成功率を上げていく。
かなり自信をつけた所で、練習終了!明日の本番を
迎えることになった。
ただ、1つだけ不安な事が。
それは、どの回も必ず1本目は失敗している。
本番は1発勝負。やり直しはできない。
明日の本番前に1回だけ練習が出来るという事なので、
「是非ともやらせてください!」とたのんで、その日は
終了した。
明日はいよいよ本番。この2日間の練習の成果が
発揮できるのか!
後編に続く。
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